「波乗り○かちゅ〜争奪戦!」――付録

第1部――アリル&アールのフロスティ突撃レポート!
  この広い世界の中には、常識などという代物では測り切れない物事が存在する。一見当然のように思える
かもしれないが、それが真実である事を実感することが出来るのは、やはり実際にそれを前にした者達だけ
なのだろう。これは、知らず知らずの内に、この恐るべき領域に足を踏み入れてしまった少女と猫の記録で
ある。

8月9日AM11:00

  照りつける太陽、熱い砂浜、打ち寄せる波の音、日に焼けつつある肌を優しく撫でる潮風、そして人々の
歓声―――フォノッソーの夏はやっぱりこうでなくっちゃね♪

  アールも来ればよかったのに。あの子ったら「潮風で体がしょっぱくなる」とか「海に投げ込まれるのが
分かっているから」とか言って、絶対についてこないんだから。まあ、後の方は事実だけどね。留守番も頼
まなくて済んだから、これでいいのかな。○かちゅ〜の方は確かにやや不安だけど、まだ私の出る幕じゃな
いみたい。これなら、当分は日に当たってても……

「ふふふふふ………(3times repeat)そうは問屋が卸しませんよ」

  な、何者!?………って、この声は…………まさか大魔女様!?

「あなただけ暇っていうのは、何処か問題がありそうですからね。折角海岸にいるのですから、当地の様子
などを報告してください。内容は問いません」
「それって、本当は単に遊び場のレポートが欲しかっただけじゃないですか?」
「………………そのオーブは記録装置です。そこに映った物や届いた声は全部記録されますから」
「………………よく分かりました。期待して下さい」

  とは言ったものの、普段は草木の面倒みるだけの生活だから、実際に行った場所なんて殆どないのよね。
やっぱり、人だかりのある所を適当に当たってみるのが一番かな。あ、そうだ。アールにも手伝って貰おう。
店の玄関にも連絡用の水晶球を置いてあるから、留守番がいなくても何の問題も無し!
  さてと、《アールおいでーーーっ!》…………は無理なのよね、今日は。仕方が無いから、久々にこれを
使おうかな。「もしもし、アール。いるなら返事して」

      :
      :

(間もなく、ワインレッドの猫が何処からともなく落ちてくる)

  このヘンな色の猫が、私の魔女猫アール。安直な名前の割に気難しい所があって、おせじにも素直とは言
えない。それでも、結局はいろいろ手伝ってくれるから酷くは言えないけどね。

「そんな事はどうでもいいだろ。で、何処に行くんだ?」
「うーんとね……あの1番大きな人込み。よく知らないけど」
「いい加減な奴だな。ちょっとは考えてから呼び出せよ」

  人に色々尋ねてみたら、「ここは最近オープンして以来、連日行列が絶えた事が無い、大人気のかき氷屋」
ってみんな口を揃えるけど、それって本当なのかな? そういう評判って、どこかうさん臭く感じてしまう。
私にも、いつの間にかアールの性格がうつってしまったのかもしれない。

「さっさと入って済ませようぜ。それで報告も終わるんだろ?」
「同感。私も、ただ暑い中でぼうっとしている気なんて始めから無いわ。早速行きましょ」

  クーラーバックの氷を使って急きょ作った氷のうの氷がすっかり解けた頃、私達はようやく店内に入る事
ができた。一体何時間待たせれば気がすむのよ。これでまずかったら本気で許さないからね。
  1歩中に入っただけで明らかに気温が下がっているらしいという事が………………………え? ここって、
一体何度なの!?

「アリル……引き返すなら今のうちだぞ。店を出る前に凍死するかもしれん」
「ここまで来た以上、後には引けないわ。往生際が悪いわよ」
などと言っていたのが運の尽き。

「いらっしゃいませ☆ 何名様ですか?」
  振り返ると、そこには妙に色白のウェイトレスが素敵な笑顔で出迎えてくれていて………それでもまだ、
この時点で私達は、この店の真の恐ろしさには気付いていなかったのかもしれない。

  ぞっとするほど冷たいテーブルに着いてあたりを見回してみると、ここは外界を隔絶された別世界の様な
雰囲気をも演出していた。夏を忘れさせる、というより真冬を思わせる気温だけじゃなくって、外気が入っ
てこない構造、そして何よりも…………厨房で慌ただしく動き回っている雪だるまや、巨大なかき氷器に向
かっている毛だらけの生物………………

「な、なかなかにシュールな世界じゃない……」
「あの柱にかかっている温湿計は見ない方がいい。見たら死ぬぞ……」

  やがて、ウェイトレスが注文を尋ねて来た。
「3日発酵させた牛乳と蔘茶と青汁をそれぞれ3分の1ずつ。トッピングは納豆と活きたドジョウ。冷たさ
は7倍だ!」
「ちょ、ちょっとアール! そんな無茶苦茶な……」
「ここまで馬鹿にされて黙っている気か!? 大体なあ……」
「かしこまりました☆」
「だからって………………えええええっっ!?」
「此処は専門店ですから、あらゆる材料が用意してありますよ。お客さんも通ですね☆」
「……………………」
「……………………私、普通のメロンでいいわ」
「こいつにはお勧めのをフルコースで頼む」
「ううっ…………」
「甘いな…………1人だけ助かろうったって考えは捨てる事だ」
「アール………目がすわってるよ……」

  この時、私は未来への門が閉じられつつあるのが視えたような気がした。此処で永劫とも思われるような
体験を終えるまでは、決して日常には戻れないと悟ったから……

  古今東西、その他諸々のかき氷が所狭しとテーブルに並べられている。そして私達も固まっている。かき
氷の上では、何か細かい物がきらきらと光っていた。光の絨緞みたいで綺麗だったけど、それは何を意味し
ていたのか私には分からない。それでも、私達に止まる事は許されない。一刻も早く食べなければ、本当に
店を出る前に凍死してしまう。私達はほぼ同時に最初の一口をかき込み…………文字通り、身と心が瞬時に
凍っていくのを体感した。確かに…………こればっかりは、この店でないと味わえないだろうね…………

「………………………ふぅぅぅっ………はぁ………っ…………死ぬかと思ったぁっっっ」
「ぐぅ……………まだまだあっ!」
「やっぱり、『まだまだ』なのね……」

  ここから先の事はなんにも覚えていないけど、後日見せてもらった映像には、6杯目のかき氷を掴みなが
ら凍結している私達の姿があった。こんなの、恥ずかしくて絶対に誰にも見せられないよおぉぉぉっ!!

(おしまい)

第2部――キャラクターシート(第2話スタート時のものです)

【アリエス&ネア キャラクターシート】

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名前:アリエス/SONEFA                         年齢:14才
家族、背景:薬屋(魔法の薬も含む)「希望の泉」を経営。
            アリルの従妹。
【魔女の能力】
ふつうのちから(4)    :歌や音楽(1)お料理(5)本を読む(5)
                              いじっぱり(5)
魔女のちから(1)     :薬の調合(12)草木や花(1)
ほうきで空をとぶちから(5):高く飛ぶ(1)速く飛ぶ(3)
                              空中でのバランス(6)重い物を乗せて飛ぶ(5)
                              猫いらず飛行(2)
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                魔法力カレンダー
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    月齢 : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
    魔法力:  2  5  4  2 -10  2  3  6  6  10  4  2  6  1
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    月齢 : 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
    魔法力:  1  3  5  2  5  2  5  3  6  1  5  5  5  6
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暗示するカード :風(The Wind)           魔法力が上がるのは月齢10日目
影の暗示のカード:恋人(The Lovers)        魔法力が落ちるのは月齢 5 日目
魔女のヒットポイント:20
魔女のもっているもの・その他:3銀貨
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猫の名前:ネア                    性別:メス
色・柄:空色                    年齢:2才
猫の能力   強さ :2
       美しさ:3
猫のヒットポイント :20
猫のマジックポイント:24
猫がもっているもの・その他:ふしぎなヒゲ(MP+3)×1
                            りっぱなヒゲ(強さ+1)×1
                            きれいなヒゲ(美しさ+1)×1
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猫バンク:3       猫ポイント:          魔女の経験ポイント:137


  当初は協力者(しかし、時々とんでもない失敗をしてかす)にする予定でしたが、
登場した直後に、ミィが冗談では済まないボケを振った為に、それ以後は相容れない
関係になりました。(元々ボケキャラが嫌いだったと言えなくもないですが)

【アリル&アール キャラクターシート】

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名前:アリル/TIY                         年齢:15才
家族、背景:ハーブの店頭販売&宅配店「緑の風」に勤務。
            アリエスの従姉。
【魔女の能力】
ふつうのちから(4)    :本を読む(4)いじっぱり(2)
               草木や花を育てる(5)お茶を淹れる(3)
魔女のちから(6)     :魔法書を読む(5)魔法を調べる(6)
                              ケガや病気をなおす(1)空と鳥(4)
                              草木や花(6)風読み(4)
ほうきで空をとぶちから(3):速く飛ぶ(2)長時間飛ぶ(5)
                              重い物を乗せて飛ぶ(6)猫いらず飛行(8)
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                魔法力カレンダー
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    月齢 : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
    魔法力:  5  6  11  5  4  2  1  4 -11  3  3  6  6  6
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    月齢 : 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
    魔法力:  4  2  6  4  1  1  6  2  6  6  2  1  1  6
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暗示するカード :杖(The Staff)           魔法力が上がるのは月齢3日目
影の暗示のカード:妖精(The Fairy)           魔法力が落ちるのは月齢9日目
魔女のヒットポイント:18
魔女のもっているもの・その他:3銀貨、1対の水晶球(連絡用)
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猫の名前:アール                        性別:オス
色・柄:ワインレッド                年齢:3才
猫の能力   強さ :5
       美しさ:3
猫のヒットポイント :24
猫のマジックポイント:20
猫がもっているもの・その他:しなやかな体(美しさ+2、強さ+2)
                            りっぱなヒゲ(強さ+1)×1
                            ふしぎなヒゲ(MP+3)×1
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猫バンク:14     猫ポイント:          魔女の経験ポイント:246


 「魔女夜会で通りすがりに出会った先輩魔女」として、名前もないまま終わる筈の
キャラでしたが、ミィが名前を訊いたのがきっかけになって、何時の間にか設定まで
持ったNPCとして定着してしまいました(それでも、猫の方は第1部の拙文を書く
まで全く未定で、姿さえ見せませんでしたが)

  調和の象徴である杖を暗示とする一方で、勇み足な行動をやりがちな妖精の一面を
影の暗示としています。そのせいか、アリルは物事を要領よくまとめる事にかけては
得意ですが、いざ自分の事となると、前に進もうとする余りに浅薄な行動をとってし
まう傾向があります。

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