その他のルール
- 戦闘レベルをダメージ判定に導入
- 通常のルールによると、戦闘レベルは命中基本値および回避力にのみ反映されるものであり、ダメー
ジには全く影響しません。かといってSWのように単純にダメージに戦闘レベルを足す行為は、あえて
レベルを導入しなかった(と思われる)このルールの理念(「いかに剣の腕を上げた所で体力が上がっ
ていない以上は岩を砕いたりする事などできない」という事)に反するものでしょう。
しかし、防護点が高く武器攻撃では殆どダメージを与えられない敵が存在する一方、炎の杖(特殊ア
イテム)や電撃(5レベル魔法)の様な防護点無視の攻撃魔法が存在するのは戦士タイプのキャラクタ
ーに不利なのではないでしょうか。そこで、クリティカル時にのみ追加ダメージに戦闘レベルの数値を
足す事を提案します。
このルールは高レベルキャラクターによる一撃必殺が予想される為、バランスを崩すものに見えるか
もしれませんが、見かけ程ではありません。実際に期待値を計算してみると、少なくとも期待値に加わ
る値が36分の5(約0.14)×(戦闘レベル)より大きくなるという事はありません。また、クリ
ティカル時に戦闘が一層盛り上がるというメリットもあります。
- 得意ワザの獲得、成長
- キャラクターの得意ワザはあらかじめ設定されていますが、その成長や獲得に関するルールは存在し
ません。そこで、「適当な人物から、それ相応の時間を掛けて学べば、得意ワザを新たに獲得したり既
存の得意ワザを成長させられる」ことを提案します。
それを望むキャラクターは、まず獲得したい得意ワザの持ち主(殆どの場合はクラスメートになるで
しょう)を見つけ、その技術や情報を教えてもらえるようにしなければなりません。その際、人によっ
ては断られたり、条件を出される事もあるでしょう。そして、それを習い始めたキャラクターには時間
的な制約が課される事になります。ルール的には、5シナリオ(連続である必要は無い)の間、主な行
動時間の1/5(日常の学校生活の中なら約2時間)をその勉強に費やさなくてはいけません。教える
時間については、その内容に応じてGMが決めて下さい。勿論、ゲーム時間で半日の内に終わってしま
うようなシナリオでは、悠長に勉強などしている暇は無いでしょう。そして、無事にそれだけの勉強を
終える事が出来たら、教えてもらった得意ワザを新たに獲得できます。
既得の得意ワザを成長させる時も同様です。成長の度合いについては、判定のボーナスが+2or+3
の得意ワザについては、その数値に+1。そして、判定のボーナスが+1のものについては、2回の成
長につき、その数値に+1されるものとします。また、2つ以上の得意ワザを新しく獲得する事はでき
ません。
実際に得意ワザを獲得しようとした時には、メンバーから外れて1人勉強するという事態も当然予想
されます。それはプレイヤーにとって大きな精神的負担となるでしょう。しかし、得意ワザとは、それ
相応の経験を得た者にのみ与えられる、一種の特殊能力なのです。
- 耐久力の回復について
- 店で治療系魔法を掛けてもらう時の料金は1D×200Sという事になっていますが、このままでは
《治療》の魔法が入っている瓶詰め(値段は20S)を買った方が遥かに安く、少なくとも単なる耐久
力の回復についてはこの手の商売が成り立ちません。そこで「このような店では治療の際に薬草や魔力
を効果的に活用する設備が用いられているので、より多くの耐久力が回復する」という事にして、回復
する耐久力に+6のボーナスを加えます(それでも割高な事に変わりは無いのですが)
- 医療品の効果
- リプレイでも疑問のまま残っていた、ばんそうこうの効果についてですが、ここでは、ばんそうこう
を「5点以下の傷の手当てを行う際の器用さ判定の達成値に+1」の効果を持つ、使い捨ての回復補助
アイテムとします。そして傷薬については、本来のルールには「体力1D点回復」という注釈が入って
いますが、ここでは、その効果を「傷の手当てを行う際の器用さ判定の達成値に+3、及びその後の1
日あたりの回復ポイントに+1」とします。また、器用さ判定で傷の手当てをする際に消毒薬(買い物
品リストに書かれているのは10回分の値段とします)を併用すると、化膿を100%防ぐことが出来
ます。そうでない場合、傷を受けたキャラクターは、傷が完治するまで、1日ごとに傷口が化膿したか
を判定しなければいけません。ルール的には2Dを振って1ゾロが出たら化膿したものとし、耐久力は
傷を受けた直後の数値に戻ります。なお、治癒魔法や医者の手によって回復を行った場合、このルール
は適用されません。
- 経験点は5点ずつ与える
- 通常は10点ずつ与える事になっていますが、そのまま採用すると成長が速過ぎるので5点ずつにし
ました。
- 能力値の上昇
- 各能力値は、経験点を(「上昇後の能力値」ー「初期状態の能力値」)×50点使う毎に1点上昇で
きることにします。ただし能力値が6点以上になる事はありません。
- オリヴィエ・サンドレの「とっても危険な医術」
- オリヴィエ・サンドレの得意ワザ「危険な医術」は、フォンティーナの歌声に並ぶ破壊的(自滅的?)
能力として愛用されるべきものでしょう。しかし、「(魔法を使わない)治療を行ったとき、相手に達
成値を越えたぶんのダメージを与える」という本来のルールでは、「(器用さ)+12」以上のダメー
ジを持っている相手には全く効果が無いことになってしまいます。これでは「実際には人を殺しかねな
い腕である」という彼女のプロフィールに反すると考えたので、「危険な医術」を更に強化した「とっ
ても危険な医術」を採用する事を提案します。
治療を施した相手にダメージを与える所までは同じですが、ダメージの数値を「達成値と目標値の差」
とします。例えば、10点のダメージを受けている相手に、この得意ワザを使って治療を施した場合、
達成値が8なら2点、13なら3点のダメージが与えられるのです。これならば、目標値にどうしても
届かない程のダメージを受けている相手に対しても、加速度的にダメージを与えることが出来るように
なります。
こういう危険で刹那的でスリルのあるプレイも、1度くらいは楽しんでみませんか?
- 大自然の驚異
- なんてことを言うと、おおげさに聞こえるでしょうが、単に「シナリオ中の時間で一日が過ぎる毎に
2Dを振り、1ゾロが出た時には前後のストーリーとは全く関係なく台風や砂嵐、霧、異常乾燥といっ
た、変わった天候にする」だけです。他のシステムでは、こんなことが起こっても何事もなかったかの
ようにシナリオが展開するでしょうが、このような、問題解決をメインとする事が多いシステムでは、
それが思わぬ方向に作用してきます。周囲の状況が変化する(作っていたものが壊れかける、森の中で
突然嵐に遭って風邪をひきそうになる、日傘の値段が突然高騰する、臨時休校になる(笑))だけでも、
結構ストーリーが盛り上がるのではないでしょうか。